2020年9月の現状報告

昨年2019年の11月に行われたKCPE(全国統一試験)は17名の8年生が受験しました。
結果は500点満点のうち支援基準としている300点を超えたのは2名でした。
250点以下も3名のみでしたので、飛び抜けて高得点もいないけど、全体的に平均的な数字になりました。
ということで、この2名の子供に支援をしました。

1月下旬に新学年がスタートしましたが、新型コロナウィルス感染症のためケニアのすべての学校は3月中旬より休校となりました。
ケニアにおける最初の感染者が確認されたからわずか1週間後のことです。
サパリンゴ小学校の先生たちもみんな各自の田舎に帰りましたし、セカンダリースクールの子どもたちは寮も閉鎖され、自宅に戻ってきました。

そして8月には来年1月まで全ての学校は再開しない、2020年のKCPEも行わない、ことが決定しました。
ケニアの全ての子どもたちが留年することになったのです。前代未聞ですね。
オンライン授業などは都市部の富裕層の家庭の子供しかできないことです。
未電化地域もまだまだ多いケニアですから、全員の子供がオンライン授業出来るような環境にはありませんので不公平の無い様に一律全員留年というわけです。2020年は無かったことになったわけです。

しかし、恐らく都市部の子供と田舎の子供ではこの1年で大きな差が出ると思います。
学校はやってないけど、都市部の富裕層の子供は、家庭教師やオンライン塾などで勉強してます。

田舎の子どもたちは、学校に行かなければ勉強はまず出来る環境にはありません。
自分の部屋もない、勉強机もない、電気もない、塾もない、教育を受けていない親が勉強を見てやることももちろん出来ない、家にいれば家のお手伝いも忙しい、等々でほぼ1年で学力は低下して、来年の新学年が始まることになります。

またつい最近では政府は、1月より前に学校を再開するかも・・・と言う噂も出てきています。
1ヶ月再開したところで、どうするんだろ?KCPEも出来ないし、進学も無理でしょうし。

感染症の行く末も含めて、先が見えないことだらけです。

状況が大きく変われば、また報告させていただきます。

by永松真紀