サパリンゴ小学校の現状

サパリンゴ小学校の現状

マサイの人々は牛やヤギ、ヒツジを放牧して生活する牧畜民族です。そのため、マサイの子どもたちは村の大人から家畜の世話をはじめとして、放牧のやり方、家畜が病気になった時に使う植物の知識やライオン狩りといったことを伝統的に学んできました。

しかし、現代では気候やケニア社会全体の変化により、牧畜だけの生活で生計を立てることが厳しくなり、牧畜以外にも目を向けねばならなくなりました。そこで、サパリンゴ地域の住民は子どもの将来、ひいては地域の未来を考え「学校」を建設することを決めました。はじめは木の下に子供を集め、学校を卒業したマサイの大人が子どもたちに読み書きを教えました。その後子どもたちの親を中心に地域でお金を工面し学校の建物をたて始めました。日本の方々からの支援も建設を後押ししました。

2009年から現在の建物で授業が受けられるようになりましたが、当時はプライベートスクールであったため、教師の給料をはじめ学校に関わる全ては生徒の保護者や地域の人たち、また日本の支援者の善意によってまかなわれていました。

2012年にはケニア政府への登録が完了したことでサパリンゴ小学校は公立化したものの、8年生(8学級)に対して政府から派遣された教師は1人!そのため、他の教師にはこれまで通り生徒の保護者の負担で給料が支払われているため、学校を取り巻く環境にあまり変化はありません。それでも、子どもたちは日々小学校で学び、今年2013年12月にはサパリンゴ小学校ではじめての卒業生を出すことになっています。