2024年1月の現状報告

新年のご挨拶申し上げます。

前回の報告から、随分と経ってしまいました。
その間、コロナ禍がありケニアの学校も閉鎖になって全員留年!と発表あったあとはやはり少しずつ詰め込んで、2年かけて追いつくという方針になったりといろいろ右往左往したケニア。
ジャクソン教育基金もしばらくお休みした状態でした。

ケニアの教育はというと、去年からはCBCという新しい教育システムが始まりました。
今まではプライマリースクール8年、セカンダリースクール4年、その後大学という流れでしたが新システムではプライマリースクール6年、ジュニアハイスクール3年、ハイスクール3年ということになります。

昨年は例によって見切り発車で始まったシステムに多くの人が振り回されましたが、今年は2年目。
去年と今年は新システムと旧システムが入り乱れた2年間でしたが今年が旧システムの子供たちの最後の年になります。

ジャクソン教育基金は従来通り、まずは旧システムのセカンダリースクールに進学する子どもの支援を行うことにしました。
以前は成績優秀者(全国統一試験の得点300点以上)を対象として支援を行っていました。
しかし近年では学校内に寄宿舎が出来たことからサパリンゴ地区外から寄宿舎に入れる裕福な家庭の子供たちが増え、その子達のほうが成績が良いという結果をもたらしました。
寄宿舎に入らない(入れない)サパリンゴ地区の子どもたちは、放課後家で勉強する環境にはありません。

もちろん学校の勉強も大切ですが、それ以上にマサイの子供として小さい頃に学ばなければならない事、乳搾りであったり、ヤギや羊の面倒をみたりすることがとても重要なのです。そして家には電気はないので夜間、勉強することも難しいのです。

昨年、ジャクソンからは教育基金に対して支援基準の見直しの申し出がありました。
300点(満点は500点)という基準ではなく、やる気はあっても家庭の事情でセカンダリーを諦めざるを得ない地域の子供たちを支援して欲しいと。
役員会議を経て、今年の支援者はもっとも過酷な家庭環境にある子供2人を支援させていただくことにしました。
ここに彼らを紹介します。

①マーク君
テストの点数は高くはなかったけど、ジャクソンだけではなく地域の人々からもマーク君の支援を!という声を頂きました。
彼のお父さんがしっかりしてなくて、お母さんが頑張っていますが
マサイの女性一人では、なかなか生活は厳しい状況です。
兄弟はたくさんいますが、経済的理由でみんな最後まで学業を続けることが出来なかった。
唯一現金収入を得られる仕事に就けているのは、プライマリースクール8年までで進学出来なかったお兄さんです。
マーク君にはしっかり学業を続けてもらい、この家庭を建て直してもらいたいという地域の人の願いを彼は背負っています。

Mark&mama

 

②ナオミさん
テストの結果は333点。成績も文句無しです。
彼女の家庭は不運続きでした。
昔からマサイと牛の盗み合いを繰り返しているタンザニアのクリアという民族から
何度も何度も牛を盗まれ、すっかり財産を失ってしまったのです。
彼女は諸事情により1年遅れての受験となったため、
妹と同時の進学になり2人分の学費を捻出するのは不可能でした。
そこで教育基金ではナオミさんを支援することにしました。
妹の学費は地域の人たちが協力して捻出したようです。サパリンゴ地区は地域の人たちの助け合いが心強いです。

Naomi&mama

 

 

by 永松真紀