2018年3月の現状報告

2017年のKCPE(全国統一試験)は11月に行われましたが、サパリンゴ小学校から
の受験生は7名。
受験者数が15名に満たない場合は、学校での受験開催が出来ず他の会場で受験する決まりになっています。
アウェイでの受験は不利な場合が多いのですが、そのせいなのか、はたまたこれが実力なのかはわかりませんが今回の結果も残念なものでした。
昨年は大統領選挙で国が荒れ、結果を巡っては暴動が起き、挙句の果てに再選挙になり、いつまでたっても平常生活に戻らない中での受験でしたので、可哀想でもありますが・・・。
500点満点で最高得点は252点。それにしてもあまりにも低すぎます。
300点以上が支援の対象ですので、今年も支援することが出来ません。

確かに公務員の先生たちのレベルも低い。そのため何度か政府にクレームして
先生を変えてもらったこともあります。
それなのに成績は良くなるどころか、下降気味です。
学校運営委員会のメンバーも、先生だけの問題じゃ無さそうだ・・・と言い始め
ました。
私も支援対象者が現れるのを待つのではなく、少しでも成績があがるための努力
をしたほうが良いのでは?と考え始め、2月に学校運営委員会のメンバーと校長先生と私で、ミーテイングをしました。
そこで、2018年度はMJEF基金が子どもたちの補習授業をサポートすることにしま
した。

昨年にも報告しましたが、サパリンゴ小学校には4年生〜8年生までの寮が出来上
がりました。
季節によっては象が出たりして学校に行けないこともある子ども達が通学の心配なく勉強出来るように・・・と、近くのロッジを運営する会社が寮を建ててくれたのです。
サパリンゴ小学校だけでなく、マサイマラ地区の小学校全てにです。
家のお手伝いが出来なくなりますが、子ども達は寮で各自自習をしていました。
そこで、高学年(7,8年生)には自習ではなく、先生たちが補習授業を行うことにしました。
そのための補修授業料をMJEFから支援します。
1年間、7,8年生の補習授業を毎日2時間行います。年間の授業料が216000シリン
グ(約25万円)です。
とりあえず、今年1年で様子を見て、来年以降はまた考えたいと思います。
先生たちがちゃんと補修をやっているか?などのチェックも当然必要になりますが保護者たちが見守っていく予定です。

また現在高校生の中で成績が良い子どもにも支援をしていますが、本当にケニアの高校は何をやっているのでしょうか?成績表が出ない子どもが多いのです。
たった一人の子が総合B評価(A〜Eの5段階評価)の成績表をもらって来たので、この子には支援金として10000シリング(約11500円)出 すことにしました。
この子は今年KCSE(大学進学のための全国統一試験)を受験します。

さて、サパリンゴ小学校の第一期卒業生の中で一人だけ、昨年KCSEを受験した子
がいます。
第一期卒業生でMJEFから支援したのは上位7名。そのうち1名だけが4年で高校を卒業、KCSE受験となりました。
結果はC−(マイナス)。
ケニアの大学は成績が良いと国が支援してくれて、安価で国立大学へ進めます。
成績がそうでもないと、進学は出来ても学部が選べないとか学費が高い・・・と
いう難点があります。
この子の成績では後者になります。現在進学をどうするか?検討しているようですが恐らく大学ではなく、専門学校へ進学することになりそうです。

ケニアはここ数年で大きく教育システムを変えようとしています。
現在は小学校8年、高校4年ですが、これを日本と同じ6・3・3にする方向になっているようです。
そうなると受験はどうなるのか?今までのようなKCPE(全国統一試験)は無くなると言われています。
まだはっきりしたことは発表されていませんが、子ども達が振り回されるような事態にならないことを祈るばかりです。

これからも見守って行きます。

by 永松真紀

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