2015年4月 2期生の進学と1期生の近況について

サパリンゴ小学校にとって2回目のKCPE(全国統一試験)が2014年11月に行われました。
第一回より多い18名が受験しました。

が、しかし結果が散々でした・・・。

いくら田舎で、電気も無くて勉強時間が不利だとは言え、あまりにもひどい結果。

でも実はある程度予想は出来てました。

というのは、サパリンゴ小学校が公立小学校に登録されてからは半数の先生の派遣を政府が行っています。

全くよその地域からマサイではない多民族の先生もやってくるのです。

公立になる以前のように地元の熱心な人が先生をやってくれるわけではありません。

残念ながら一般的に公立学校の先生は全くやる気がありません。

学校を訪問すると生徒たちが自習している場面に何度も遭遇しました。

夫ジャクソン曰く、

「政府の先生はいつも木の下に座っていて教室にいるのを見たことがない。おかげで木の下には草が生えない・・・」

と。

保護者たちは何度も政府を通して抗議もしているし、あまりにもひどい先生は交換してもらったこともあります。

昨年は今まで以上にやる気の校長だったので、他の先生たちも熱が入らなかったようです。

それが全国統一試験の結果になりました。

2013年は15名の受験生のうち7名が満点の半分以上の得点を取ったのに対して、何と今年はたったの1名です。

他の子達は無理やりレベルの低い高校へ行った子もいるし、別の小学校に編入して留年を決めた子もいます。

ジャクソン教育基金では、トップの子(と言ってもかなり低い点数ですが・・・)に支援をすることにしました。

昨年と同様に初年度の学費の一部1万シリング(約13000円)です。

そしてこのテストに結果に、学校教育を受けたことも無い保護者たちも驚き嘆き、早速政府に抗議をして校長を変えてもらいました。

今のところ、新校長はなかなか真面目にやってくれているようです。

そして、2014年から高校生になったサパリンゴ小学校の第一期生7名ですが

元気に高校2年生となりました。少しは学校や寮にも慣れて、高校生活を楽しんでいます・・・

と報告したいのですが実はケニアの高校というのは凄く荒れています。

特に上級生たちが寮の食事に文句を言って暴れたり、教室に火を点けたりします。そのたびに学校が閉鎖され、生徒たちは自宅に戻されるのです。

そんな風なので、まともに勉強がしたくても出来ない環境の中不良上級生たちの真似をしないように子供たちには言い聞かせています。

先日高校2年生たちの1学期の成績が出ました。

7名のうち2名が通う学校では期末テスト直前に荒れてしまったので、残念ながら結局テストも無く成績も出ませんでした。

結果の出た5名のうち成績が普通以上だったのが3名。

この3名にジャクソン教育基金から1人当たり8000シリング(約10000円)の奨励金を出すことにしました。

その中の一人は唯一の女の子です。

今はほぼ全員の女子も小学校には行くようになりましたが、古い伝統社会ではまだまだ女子が高等教育を受けることに前向きではありません。

そんな環境でも何とか普通以上の成績を修めている女の子は貴重な存在です。

皆さま、これからも見守ってください。

 by永松真紀